リストカット
あした、会えたら:リストカットの子どもたち/1 生きてる価値ない(その1)
米国の多くの専門家は、自傷者の6割前後が親から身体的・精神的虐待を受けていた、と指摘する。長谷川教授がリストカットと関係の深い要因を調べたところ、親のしつけに関しては、身体的虐待は9位にとどまった。「友人が来ると、親があとでその友人の悪口を言った」が最も強い関係があった。親が友人関係を強く監視したり、コントロールしようとしたことを示す別の2項目も10位までに入った。
 長谷川教授は「幼少期に親、特に母親から強い否定、監視、支配を受け、本当に伝えたいことを押し殺してきた子が多い。中学生くらいまでなら母親への働きかけでリストカットが治まるケースもある」と指摘する。
「友人が来ると、親があとでその友人の悪口を言った」というのが1位だったというのは意外であり、興味深い。
私自身も経験があるのでこれがすごく辛いことだということはわかるのだが、これを「虐待」として考える見方は、少なくとも日本ではそれほど一般的ではないだろう。親によっては、悪い友人からわが子を守るのは親の義務だと考えるだろうし、ただ自分は感想を言っただけで友人関係をコントロールしたなどと言われるのは心外だという人もいるだろう。さらに、中学生のセックスを条例で規制しようといった議論からすると、これからは親のコントロールは強化されていくことになるだろうし、調査が行われた米国でも最近の流れを考えるとこれを虐待だとは考えなくなっていくかもしれない。
もちろんそこには"how"「どのようにして」コントロールするか、という問題がある。即ち、子供を傷つけずに悪から守るコントロールの仕方、しつけの仕方とはどのようなものでありうるのかということなのだが、問題はコントロールを強化しようとする方向性の議論にそういった問題意識があるかどうかということだ。残念ながらあまり期待は持てないだろうと思う。もしこの悲観的な見方が正しければ、リストカットの増加という現象が生じることになるだろう。そのときに、リストカットは本人の問題で親のせいにするなどけしからんといった意見が出てくるだろうと思うが、それに対抗するために今から予言しておこう。
余談だが、引用文中の長谷川教授とは東京女子大の長谷川博一教授、宅間守死刑囚にずっと面会し続けた臨床心理士だ。
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by tyogonou | 2004-11-16 00:13 | Trackback | Comments(0)
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