相撲協会が文科省に謝罪へ 再発防止案の報告も
相撲協会が文科省に謝罪へ 再発防止案の報告も | エキサイトニュース
私は、一連の騒動が「大相撲の大麻汚染」といったくくりで語られることに違和感を覚える。どこかの大学の運動部のように、力士が大麻を吸い、あるいは栽培するグループを作っていたというわけでもない。他のスポーツ界にしろ芸能界にしろ、大麻事件がここのところ頻発していることを考えれば、単に日本の若い人たちに広がる大麻汚染の一例に過ぎないと見るべきだと思う。
相撲という競技自体にも麻薬と結びつきやすい要素があるわけでもない。むしろ、激しいスポーツであるから、薬の影響が抜けないまま土俵に上がれば大怪我をする可能性もあるし、たとえ帽子をかぶっても、大きな体と鬢付け油の匂いなど目立つ要素が多く、麻薬を買いにいくというような人目をはばかる行為は(すくなくとも他のスポーツ選手や有名人たちよりは)しづらいのではないか。特に今までの事件に力士以外の相撲関係者が絡んでいたというわけでもないのに行司にまで抜き打ち検査をするというのは羹に懲りて膾を吹く類の話だ。

私は、相撲協会がするべきことは3つあると思う。
一つ目は、角界を禁煙化することだ。若ノ鵬の事件の時に、彼が大麻を煙草に混ぜて所持していたという話があったが、プロのスポーツ選手が煙草を吸うことになんの疑問ももたれないというのは少しおかしなことだと思う。一説によると大麻は煙草より害が少ないらしい、ということは逆に言えば煙草は大麻より害が大きいかもしれないということになるわけで、国技館も禁煙化されたことでもあり、成人の喫煙が個人の嗜好としてずっと認められてきたことを考えれば罰則などはなくてもいいから、煙草を吸わないよう指導すべきだ。大麻は市販の煙草に偽装しなくても吸引できるわけで、麻薬の抑止力としては大きな効果はないかもしれないが、きちんとそういった方針を掲げて新弟子時代から指導すればごく容易に実現できることだ。
二つ目は、麻薬に限らず、ドーピングに関する規則を整備することだ。きちんとルールが決まっていれば、問題が起こるたびに大騒ぎせずともそのルールに則って処理すればよい。特にドーピングに関してはWADAの基準というスポーツの世界ではかなり普遍的な権威を持つルールがあるわけで、露鵬らの検査の時と同様、その専門知識と権威を借りれば、素人である相撲協会があれこれ考えずともすむ。もっとも、WADAでは大麻に関しては競技期間外の検査での違反はお構いなしであるようだし、日本の法律でも使用だけでは罪に問えないとなれば、露鵬兄弟を処分する根拠は完全になくなってしまうのではないかとも思われるが、たとえそういった事態になっても協会はきちんとしたルールに従って行動しているということで非難には応えられるのだ。
最後に、もっとも重要なことは、角界の人間が行動のよりどころとすべき principle を確立することだ。
朝青龍の言動が巻き起こす騒動などをみていると特に強く感じられるのは、力士同士、親方や協会関係者、一般のファン、タニマチ、マスコミの位置づけや優先順位が混沌としていることだ。一般論としてファンが大事だということは分かっていても、一方で相撲取りは日本の伝統の担い手として、あるいは横綱というある種普通の人間を超えた存在として、一般人のファンを見下すようなところが朝青龍には見受けられる。本人の性格や未熟さもあるかもしれないが、そもそも相撲界に力士とファンとの関係を明確にする枠組みがないために、力士達に行動の指針を示せないのが根本的な原因だと思われる。
大麻騒動にしても同じことで、きちんとルールを作ることなくいきなり検査をして、陽性という結果がでてしまったら、大麻の使用は「悪いこと」だから処分するというような粗雑な論理で対応する。Jリーグは相撲協会よりはそのあたりちゃんとしていそうだが、それでも我那覇問題では同様のお粗末な対応をして醜態を晒したばかりだ。
とにかく、行動のよりどころとなる一般的な原理原則がないために力士の行動も、それにたいするメディアからの批判も、協会の対応も全てがその時々の雰囲気で変わってしまっている。それが根本的な問題だと思う。
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by tyogonou | 2009-02-06 23:43 | スポーツ | Trackback | Comments(0)
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