レッドクリフ
今更だがTVで『レッドクリフ』パート1を見た。
感想は・・・今ひとつぱっとしない。個人的には中国中央電視台制作のドラマの印象が強すぎるということも影響しているのだろうと思うが。

キャストはやはりドラマ版に適わない。関羽はおっさんだし、張飛は小悪党顔だし、後の孫夫人に馬をひっくり返されたのはあれ劉備?というくらい劉備に存在感ないし、曹操はなかなかの俳優と見たが曹操にしてはいい人そうだし、周瑜はときどきガレッジセールのゴリに見えるし、孔明はまぁまぁだけどちょっとお人よしそうだし、孫権はむしろ秦の始皇帝の方があってそう・・・。もっともドラマ版の方は、同じ俳優が複数の役をやってたり、ひとりの人物を複数の俳優が演じてたりとかなりのカオスだったのだが。

作品としては、戦闘シーンの美しさは見ごたえがあったし、陣形についての斬新な解釈も素晴らしいし、関羽もおっさんらしからぬキレのよい動きをしていたが、全体に「赤壁の戦い」と関係ない冗長なシーンばかりという印象を受けた。人気の高い関羽、張飛の見せ場を作ったり、むさ苦しくならないように女性を活躍させたりといった意図もあったのだろうが、やはり三国志のファンにとっては「違う」という感じがしてならない。

赤壁の戦いの戦闘といっても、もともと何かのCM風にまとめれば「船がボーボー燃えました」で終わってしまう話で、武将が獅子奮迅の活躍をするというようなものでもない。赤壁の戦いの面白さはむしろ、孔明と周瑜、呉軍と曹操の間の心理戦にあるのだが、そういった要素が全くないのは残念だ。



ここで孔明を演じているのは、中国では名優というより「スター」だという人で、日本で言えば田村正和あたりのような感じなのだろうか。笑顔の裏に刀を隠し、呉の高官たちを舌先三寸で手玉に取る孔明の凄さを見事に演じている。
この動画で最初に孔明に論難を吹っかける細面の人物は陸績。孔明はすぐに答えず、なんだか意味ありげに彼を見回し、次の台詞で陸績をちょっと困らせる。陸績は幼いとき袁術のもとにいて、食事のとき蜜柑を懐に入れたのを袁術に見咎められ、そこにいない母親のために持ってかえろうと思ったと答えて親孝行を誉められたということがあり、孔明は「袁術のところで蜜柑を懐にしまった陸ぼっちゃんとは貴方でしたか」と笑い、心理的に優位に立ってしまうのだ。
そういう「戦い」こそが魅力なのだが、『レッドクリフ』の孔明は周瑜ともいとも簡単に仲良しになってしまうし、金城武も線が細く見える。
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by tyogonou | 2009-04-17 00:15 | Trackback | Comments(2)
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Commented by cabo at 2009-04-18 19:15 x
ボクも見ました。

最後の方の陣形辺りは見応えがあったかな。

孔明と周瑜の駆け引きは全然なかったですね。
どっちも優等生すぎるというか、感情を露わにする部分があんまりないですね。
特に周瑜は中国ドラマのイメージが強いです。
というかまあ全般的に比べちゃいますね。やっぱり。

そういえば、日テレ系の深夜に蒼天航路が始まりましたよ。
Commented by tyogonou at 2009-04-18 21:46
「これは八門金鎖の陣と申しまする。(中略)もし生門、景門、開門から攻め込めばよろしゅうござるが、傷門、驚門、休門から入れば傷つき、杜門、死門から入れば全滅しまする。」なんて書いてあってもちょっとイメージつかみ難かったけれど、ああいった解釈もあるのかと、そこはやはり見ごたえありましたね。
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