分担率に関するひとつの私案
国連分担金の削減要求 日本、常任理入り絡め
これはやはり日本に理があるように思う。
もちろん、常任理事国がダメなら分担金を払わないということではなく、できるだけの貢献をするからそれなりの評価をして欲しいというベクトルで話を進めるべきだが、常任理事国の問題と分担率とをリンクさせて議論することは決して間違っていないと思われる。
個人的には自衛隊の問題をふくめ、日本が常任理事国として充分な役目を果たしうるかどうかという不安もあるのだが、、実際の分担率を見てみると、(アメリカは別として)突出した分担率を担う日本が責任ある地位についていないというのは不当であると言わざるをえない。
しかし、そうは言っても、分担率は各国の経済力などを基礎にあらかじめ決められた計算式で算出されるものであるから、それ自体を不公平と断じることも難しい。そこでひとつの選択肢として考えられるのは、分担金の上限と下限の設定を常任理事国と一般加盟国で異なるものにするというのはどうだろうか?
現在、分担率の上限は一律に22%、下限は0. 001%となっているが、常任理事国に新たな下限と、一般加盟国に新たな上限を設けるのだ。各国の経済力に比しての分担金の重さに差ができても問題ではあるが、一部の国にあまり大きな責任と力が集中してしまうのもまた問題だ。現在の論調では分担金は負担、あるいは重荷としてしか扱われていないようであるが、支払い拒否が脅しになりうるという意味では高い負担率は力ともなりうる。ある意味中国やロシアが一連の問題に関して日本に対して強く出られるのは、日本がそういった危険な方向性に進まないという安心感があるからこそではないだろうか。だが、日本に限らず、ある国が余りに高い割合を占めてしまうことは不健全であると思う。
たとえば、常任理事国の負担率の下限の合計が一般加盟国の上限以上になるようにするというのは(現在の状況では常任理事国の負担率の下限を3%、一般加盟国の上限を15%というように)、それぞれの国の果たす役割と負担、力のバランスを調整するという意味では無茶な要求ではないと思う。実情を考えれば常任理事国の下限を1.0~2.0%、一般加盟国の上限を15~18%あたりが妥当なところなのだろうと思うが、両者の間で上下限に差をつけるというのは分担率の計算式をいじるよりも簡単で説得力もある主張であると思う。安保理の改革案の中には、準常任理事国といった形で拡大を図るものもあったが、将来そういった方向に進んだ時にも簡単に適用できるわけだ。

本当は、さらにもうひとつの改革を付け加えたいところだ。
国連憲章 第19条
 この機構に対する分担金の支払が延滞している国際連合加盟国は、その延滞金の額がその時までの満2年間にその国から支払われるべきであった分担金の額に等しいか又はこれをこえるときは、総会で投票権を有しない。但し、総会は、支払いの不履行がこのような加盟国にとってやむを得ない事情によると認めるときは、その加盟国に投票を許すことができる。
常任理事国の場合、満2年より短い一定期間(例えば20ヶ月分)の延滞で拒否権などの特権を一時停止されるというようなものだ。
もっとも、これを持ち出したらせっかく日本支持にまわっている(額にして)最大の滞納国を敵に回すことになるのでやめておいた方が良いだろう。

そういった遠慮をしなければならないところが常任理事国としてふさわしいと断言できない理由ではあるのだが。
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by tyogonou | 2005-10-19 00:30 | 国際 | Trackback(1) | Comments(2)
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Tracked from 老駑思千里 at 2006-03-06 12:11
タイトル : 常任理負担率に下限制を
<国連分担金>常任理負担率に下限制を 中露の負担増促す 私自身、かつて分担率に関するひとつの私案を提案したこともあり、政府のこの方針を支持したい。... more
Commented by kaonoi at 2005-10-19 15:21
大変理にかなった意見だと思います
残念なのは、中ロが聞く耳を持たない姿勢でしょう
個人的には、有人宇宙船を成功させ、年間100発以上もの弾道ミサイル訓練を行う国の
10倍以上の負担は考えられないと思います
Commented by tyogonou at 2005-10-21 13:26
遅くなりましたがコメントありがとうございます。
常任理事国たる資格をどう考えるのか、中ロに限らず反対国に説明を要求するような方向で議論を進めていくことが重要かと思います。
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