もうひとつの「ガセネタ」問題
<メール問題>自民、矛収める わずか半月で両党の状況逆転
以前にも書いたが、今回の件についての自民党の対応はいつになく穏当だったと思う。かつての自己責任祭りのような下品さもなく、厳しいことを言っても良識の範囲内に収まっていたと思う。
特筆すべきは小泉首相が終始慎重な姿勢に徹していたことで、声を荒げることも、人を馬鹿にしたような態度をとることもなく質問に応じていたのは、近頃あまり記憶にない光景だった。これは、永田議員の主張する疑惑が事実ではないという確証をにぎっていたがゆえの余裕だったということなのだろうが、(そういった気のまわしようをする人でもないが)あまり煽り立てると自分自身の「ガセネタ」問題に火の粉が飛びかねないということを心配したということもあるのではないかと少し疑っている。

首相自身の「ガセネタ」問題とは言うまでもなく、「イラクのフセイン政権が大量破壊兵器を隠し持っている確かな証拠がある」ということではじまったイラク戦争への加担である。「大統領が見つからないからといって、いなかったとは言えない。大量破壊兵器が見つからないからといって、なかったとは言えない」などという乱暴な理屈を忘れた人間はいないだろう。永田議員は記者会見でまだ「疑惑」に未練を残していたが、その永田議員でさえこんな強弁で自分の主張を押し通そうとするような不遜さは見せなかった。(もっとも、「イラクは過去に大量破壊兵器を使い、国連決議に反していないと証明しなかった。イラク戦争支持の日本の判断は正しかった」という首相の主張は、自ら投げかけた疑惑を証明することなく、無実を証明することを武部幹事長側に要求した民主党の論理と瓜二つであるが。)
確かにでっち上げられた証拠を元に他人の名誉を傷つけることは、大きなあやまちである。しかし、内閣総理大臣が国の活動を正当化するためにでっち上げの証拠を提示して国民を欺くことはそれよりずっと大きなあやまちである。そして、でっち上げの証拠を元に他国の主権を侵し、多くの人命を奪うこと(そしてそれに加担すること)は比較にならないほど大きなあやまちである。
この問題をいまさらとりあげるのも・・・という感もなくはないが、少なくとも民主党と永田議員は非を認め謝罪した。一国の首相たる小泉氏はまだ果たしていない自分の責任について考えるべきではないのか。
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by tyogonou | 2006-03-05 01:32 | 国内政治 | Trackback | Comments(0)
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