国連決議が求めたのは大量破壊兵器の破棄そのものだ
国連決議に応じないイラクに問題、日本政府の対応に正当性
また、過去において、イラクで核開発が行われていたことや、クルド人への化学兵器の使用が確認されているとしたうえで、イラクに対して核開発施設や化学兵器の製造施設を廃棄するよう求めた国連安保理決議を、イラクは遵守するべきだったと指摘した。

政府批判避けられず 首相、苦しい立場に
現時点で(大量破壊兵器の)製造設備が存在しないことが(日本政府にとっての)大きな責任論になることはない

両者は同一人物の発言だが、到底私の理解を超えている。

イラク攻撃支持は、イラクが長年、国連決議を無視してきたからであり、大量破壊兵器との問題とは切り分けてきた
という話もあるが・・・




イラク問題に関する対応について-小泉首相記者会見
 昨年の国連での1441決議を始め、一昨年の9月11日のニューヨークでのテロ事件等によりまして、私は大量破壊兵器に対する脅威、これが大きく日本国民のみならず、米国民のみならず、世界の多くの人々が大量破壊兵器に対する脅威を強く認識し出したと思います。言わば戦争に対する観念も変わってきたと思います。こういう大量破壊兵器に対する脅威をどのように取り除くかということが、今までも国際社会の大きな課題だったと思います。私はこれからもそうだと思います。
(中略)
 もしも、今後、危険な大量破壊兵器が、危険な独裁者の手に渡ったら、どのような危険な目に遭うか、それはアメリカ国民だけではありません。日本も人ごとではありません。危険な兵器を危険な独裁者に渡したら、我々は大きな危険に直面するということをすべての人々が今感じていると思います。これをどのように防ぐか、これは全世界の関心事であります。
 私はそういうことから、今回、最後まで平和的努力を続けなければならないと思いつつも、現在、残念ながらそれに至らなかった。武力の圧力をかけないとイラクは協力してこなかった。しかも、かけ続けても十分な協力をしなかった。

関係ないという大量破壊兵器の脅威をここまで強調したのか。

もうひとつのポイントは査察に対するイラクの対応だ。
<大量破壊兵器>米最終報告書 首相の責任追及は必至
小泉純一郎首相は7日、戦争の原因は旧フセイン政権が国連の査察を拒否したことにあるとの論理を展開

元の発言内容が明らかではないが、「査察を拒否」というのは間違い。イラクは非協力的で、妨害などもしたが査察自体を拒否はしていなかったはずだ。それも次第に柔軟になり、米国務長官が安保理で大量破壊兵器所持の「証拠」を提示した後には、指摘された場所を記者たちに公開したりもしていた。
それに、査察を持ち出すのはもともとお門違いでもある。査察を行っていた国連査察団やIAEAは、査察ができないから武力を行使してくれなどと言っただろうか。そうではなく査察の「継続」を訴えていたのであり、それを拒否して戦争に踏み切ったのがアメリカなのだから。そのときのアメリカの理屈はこうだ。アメリカの調査が示すところによれば、イラクには大量破壊兵器が「ある」が、査察団はイラクにごまかされてその証拠を発見することができない。だから査察は無意味だ、と。しかし米調査団の最終報告書が意味するところは、査察はまさしく意味があったということであり、(湾岸戦争の影響も大きかったが)経済制裁のような戦争以外の様々な取り組みも実際に効果を上げていたということだ。

実際、フセイン政権の害悪は大きく、その脅威は取り除かれなければならなかったのだろう。だが問題は「戦争」か「フセインを野放しにする」のかという選択ではない。「戦争」か「査察を含めた非軍事的な手段によるフセイン政権の脅威の削減」かという問題だ。小泉首相が説明しなければならないのは、なぜ後者の選択肢を排したのかということである。
[PR]
by tyogonou | 2004-10-09 09:20 | 国際 | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://fukureki.exblog.jp/tb/484808
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
<< HERO 英雄 結局見捨てられたのか・・・ >>