柳沢発言その2
<柳沢厚労相>子ども2人以上「健全」発言、波紋に拍車
 これに対し、野党側は「女性蔑視(べっし)が頭の中に染み付いているようだ。看過できない」(民主党の鳩山由紀夫幹事長)▽「かつての『産めよ増やせよ』とお国のために子どもを産んだ考えと同じようだ」(国民新党の亀井久興幹事長)――などと反発、厚労相の辞任を求め安倍晋三首相の任命責任を追及していく考えだ。
<柳沢発言問題>「健全」発言に強く抗議 社民・福島党首ら
社民党の福島瑞穂党首は6日の党参院議員総会で、柳沢伯夫厚生労働相が同日の記者会見で「2人以上の子どもを持ちたいという健全な希望」と発言したことについて「女性不在、また頭数で(少子化対策を)言ったことに強く抗議する」と述べた。民主党の輿石東参院議員会長も党参院議員総会で「2人以上産まない女性は健全じゃないのか」と批判した。
前回のコメントでも、私はどちらかと言えば柳沢厚労相を擁護するようなことを書いたが、今回も同様の立場に立たざるを得ない。厚労相の発言は状況を考えれば不注意なものだったと思うが、批判する側は厚労相の発言内容の全体をきちんとふまえたうえで発言していないという意味でより大きな問題を抱えている。
(厚労相) 若い人たちの雇用形態が、例えば婚姻状況などに強い相関関係を持ち、雇用が安定すれば婚姻率も高まるような状況なので、まず若者に安定した雇用の場を与えていかなければいけない。また、女性あるいは一緒の所帯に住む世帯の家計が、子どもを持つことで厳しい条件になるので、それらを軽減する経済的支援も必要だろう。もう一つは、やはり家庭を営み、子どもを育てることには人生の喜びのようなものがあるという意識の面も若い人たちがとらえることが必要だろう。そういうことを政策として考えていかなければならない。他方、当人の若い人たちは結婚をしたい、それから子どもを2人以上持ちたいという極めて健全な状況にいるわけだから、本当にそういう若者の健全な、なんというか希望というものに我々がフィットした政策を出していくことが非常に大事だと思っている。
この発言内容から「女性蔑視」「(お国のために)産めよ増やせよ」「二人以上産まない女性は健全ではない」といった結論を導き出すのは無理がある。子どもを産み育てる親達をサポートする厚生労働省の役割や子どもを持つことの喜びを強調した前半部分を読むと、前回の発言に対する批判から学習したことが伺えて、むしろ評価されてもいいくらいであるように思われる。
「健全な希望」というような表現は、自己正当化の意識が強すぎたためであろうか。ここで言う「健全な」とは「正当な」とでも言い換えられるべきもので、その意味するところは「厚生労働省として正面から向かい合い応えていかなければならない」といったものと捉えるべきだろう。「子どもは一人以下でいい」と考えるのが不健全であるととってとれなくもないわけだし、健全という言葉を省いて「子どもを2人以上持ちたいという状況にいるわけだから、本当にそういう若者の希望というものに我々がフィットした政策を~」と言っても大意は損なわれないので、いくぶん不注意であったと思われる。もっとも状況がこんなに混沌としていなければそこまで細かく考える必要はなかっただろうから酷な要求ではある。

しかし野党は大丈夫なのか?
現在は柳沢氏に対して批判的な声が国民の間でも大きいようだが、追い風に甘んじて女性蔑視だの女性不在だの決まり文句を並べるだけの内容のない罵声を浴びせるだけならやがて国民からも愛想をつかされるだろう。

一番重要なのは、子どもを産み育てる環境をどう整えていくかという問題である。その害になるものを取り除くというのは道理だが、本末転倒してはならない。
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by tyogonou | 2007-02-07 01:34 | 国内政治 | Trackback | Comments(0)
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