弁護士は検察官でも裁判官でもない
山口の母子殺害で懲戒請求数百件 有志弁護士が中止求めアピール
母子殺害事件弁護団 ネットで懲戒請求「運動」広がる

山口県光市母子殺害事件の弁護団に「意図的に裁判を遅らせている」という理由で懲戒請求を呼びかける動きがあるという。

わたしには理解できない。
懲戒請求を乱発すれば問題の裁判が迅速に進むのだろうか?
そもそも弁護団の主張が単なる時間稼ぎ以外に意味のない不真面目な「品位を失うべき非行」なのか、あるいは正当な弁護活動であるのかは、裁判が進めば自ずから明らかになるだろうし、それから懲戒を請求しても問題はないはずだ。仮に現在おこなわなければならないのだとしても、請求数の多寡が処分の可否や軽重を決めるわけでもなく、既になされた請求の行方を見守っていけばいいだけの話ではないのか。

それに、弁護士が一見荒唐無稽に思われるような主張をすることは懲戒の理由になるような非行ではない。
五年前の強姦事件の裁判で弁護人が、被告は警察によって自白を強要された、自分の犯行の証明とされる現場の見取り図は刑事が自分の手をとって作成したものだ、そう主張したら、それはすばらしい弁護だと称賛されただろうか? もちろん、現在の私たちは5年前に実際にそういうことが起こっていたのかもしれないということを知っている。しかし、当時の私たちがそれを聞いたら、罪を逃れさせるために弁護士が作り出した途方もない作り話としてまともにとりあわなかったに違いない。「刑事が自分の手の上に手を置いて、『力を抜け』と言った」などあまりに劇画的でとても信じられるようなものではない。そのような荒唐無稽な主張は懲戒に値するのだろうか。
仮に、今回の場合は話が別だということにしても、弁護団の主張を否定し、その不誠実さを非難するのは第一に法廷で検察官が証拠を積み上げながらおこなう仕事であって、法廷外で情報も持たず責任も負わない人々がおこなうことではない。
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by tyogonou | 2007-06-21 01:02 | 社会 | Trackback | Comments(0)
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