厄介払い
時津風親方“二枚腰”解雇なら法的手段も視野(夕刊フジ) - Yahoo!ニュース
「前途ある若者が1人亡くなったことを重く受け止めるべきだ」というのは正論だが、ただ関係者に重い処分を課せばよいというものでもない。
まだ立件もされていないんだし、たとえ立件されても不起訴になることだってある。理事長の事情聴取からわずか4、5日で、いきなり解雇というのは、いかにも不自然で、重過ぎます。
ろくに説明もしないで法的手段をちらつかせるのは感心しないが、これはもっともな反論で、警察でさえ四ヶ月たってもまだ立件にまでは踏み切っていないのに、ただちょっと話を聞いただけでもっとも重い処分を課すというのは無茶な話だ。少なくとも、組織検査の結果がでて暴行と死亡とが関連付けられるまで待つべきだ。
考えてみればおかしな話だ。北の湖理事長をはじめ、理事を務める親方衆は相撲のプロフェッショナルであって、相撲の稽古として適切なものと不適切なものを弁別し、力士の体がどのような種類のどの程度の力に耐えうるものかをもっとも良く知る人たちのはずである。警察とは異なるアプローチで、ある意味では警察よりもよくこの事件を理解できるはずだ。
具体的には、親方や兄弟子達の「暴行」が力士としても鍛えようがない急所に対して行われなかったか、あるいはそれ以外の場所でも度を越えて強い衝撃をあたえるなどしなかったというようなことだ。脳をはじめとした内臓、関節や腱を避けたのか否か、そしてそれ以外の箇所でも骨を折るほど強く殴ったのか否か、おそらくそういった点は指導とリンチとを区別する一定の基準となるはずだが、相撲界の稽古の伝統を身をもって知る親方たちなら、もっと詳しく状況を分析する知識能力をもっているはずだ。
そういった具体的な事実のそれぞれについて問いただし、吟味し、そのうえで相撲の指導の領域を完全に外れたただのリンチを行ったという理由で、刑事事件という問題とは関係なく処分を決定するというなら、話は分からないでもない。それは相撲の正しい伝統を守るという努力の現われとみなすことができるだろう。もちろん、そこには正しい指導と間違った指導を区別し、「かわいがる」ことを含めて相撲の稽古とはどうあるべきかを示す論理や倫理が説明されることが不可欠であるが。

現在の協会の対応はどうみても単なる厄介ばらいだ。時津風親方を切れば、時太山の急死という厄介ごとに悩まされることもなくなる、そんな態度は若者の死を重く受け止めるといよりないがしろにするものであることは言うまでもない。

追記
気づくのが遅れたが次のようなニュース。
<力士急死>相撲協会が兄弟子ら18人から聴取 | エキサイトニュース
 聴取は1人ずつ別室に呼んで、2部長と今野勝彦・協会顧問弁護士が同席。午後2時から6時間に及んだ。内容について、伊勢ノ海理事は「一切答えられない」と話した。北の湖理事長が2日に暴行に関与した数人を聴取するとしていたが、部屋全員を対象にしたことについて伊勢ノ海理事は、「部屋の実情を調べる意味もあり、『力士の指導に関する検討委員会』の参考にもなる」と話した。
はじめてまともな話を聞いたような気がする。内容についていえないのは仕方ないが、部長らがどういったことを訊いたのかおおまかにでも話したほうがよかったように思う。
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by tyogonou | 2007-10-04 01:05 | スポーツ | Trackback | Comments(0)
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