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【裁判員制度】証拠映像 あなたは直視できますか?
【裁判員制度】証拠映像 あなたは直視できますか?
「これでは裁判員がPTSD(心的外傷後ストレス障害)になる可能性もあるのではないか」
 だが、最高検は「法と証拠に基づいた立証を行わなければならない。残虐な証拠を見せなければ量刑が軽くなりかねず、遺族感情を害することになる」と反論した。
 犯罪被害者支援に詳しい武内大徳弁護士は「裁判員は従来の裁判官と同じ証拠を見るべき。死体損壊事件なら、どう損壊したかが重要な証拠。裁判員は腹をくくる必要がある」と話す。
事前の心構えがあれば多少は違うのかもしれないが、こういったものに耐えられない人というのもいるだろうし、PTSDのレベルになれば、腹をくくっていれば大丈夫などという問題ではない。
また、最高検の反論は、量刑の軽重を判断の正誤と同一視している点で問題だ。たとえ残酷でもその証拠を見なければならないとしたら、その理由はあくまで「何が起こったのか」を理解するためでなければならない。量刑が犯した犯罪に比べて軽くては問題だが同時に重過ぎてもいけないはずだ。さらに、検察がこういった発言をしていること自体、裁判員制度の下で検察の証拠の提示のしかたに事実の立証よりも裁判員の感情を掻き立てようというバイアスがかかる可能性を示しているように思われる。
PTSDも問題だが、さらに重要なのは、それほど大きく感情を揺さぶられる状況で冷静な判断がなされうるのかということだ。その犯罪の残虐性に心を奪われた裁判員によって、被告がその犯罪を犯したのか否かという問題がろくに検討されないまま判断が下されるようなことがあってはならないのだが、そういった問題提起がないことが不安だ。
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by tyogonou | 2009-03-29 22:36 | 社会 | Trackback | Comments(0)
消費社会 その3

はじめての構造主義 (講談社現代新書)

橋爪 大三郎 / 講談社


「詳しくはボードリヤールを読んで」というには、あまりにもあれなのでもっと分かりやすい本を紹介しておく。
以上の事実は、したがって、欲求と豊かさの形而上学を越えて、消費の社会的論理についての真の分析をわれわれに指示する。この論理は、財とサーヴィスの使用価値の個人的取得の論理――奇蹟への権利を持つものと奇蹟から取り残されたものとが存在する不平等な繁栄の論理――とはまったく別のものであり、欲求充足の論理でもない。それは社会的意味を持つもの(シニフィアン)の生産および操作の論理である。(67頁)
『消費社会の神話と構造』の有名な一説だが、『はじめての構造主義』のニューギニアの島々にあるクラという宝物を交換して回る儀式についての説明を参考に読むと多少は分かりやすくなるかと思う。
 むしろ、こう考えるべきだろう。”価値あるものだから交換される”のではない。その反対に、”交換されるから価値がある”のである! ここがポイント。人びとの間に効果のシステムが出来上がっていて、あるものを交換のためにみんな欲しがるから、それが価値あるものとなる。電流が流れると磁場が生まれるように、交換のシステムは必ず価値を孕むのである。このあたり、ソシュールのところで紹介した議論とそっくりになっている。
 モースはこういうことに気がついて、この交換のシステムのことを「全体的社会的給付」とよんだ。社会(人びとのつながり)とは要するに、交換することなのであって、誰もかれもが交換に巻き込まれていく。交換されるものに、「価値」がそなわっているとしか見えなくなる。こうしたことが、社会的事実(個々人の意志を離れ、社会全体で成立してしまう事柄)として生じていることを、指摘したのだ。(86頁)

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by tyogonou | 2009-03-23 23:33 | 消費社会 | Trackback | Comments(1)
消費社会 その2

消費社会の神話と構造 普及版

ジャン ボードリヤール / 紀伊國屋書店

消費社会、それはまた消費の仕方を学習する社会、消費についての社会的訓練をする社会でもある。つまり、新しい生産力の出現と高度の生産性をもつ経済的システムの独占的再編成に見合った社会化の新しい特殊な様式といえるだろう。(101頁)
消費はひとつの社会的労働なのだ。消費者は(今日ではおそらく「生産」のレベルでと同様)このレベルにおいても、やはり労働者として必要とされ動員されている。(106頁)

ボードリヤールは読み難い。示唆に富んではいるがそれですっきり話が分かるかというとそうでもなく、合わない眼鏡をかけているような居心地の悪さが付きまとう。差異を安易に階級の上下に結び付けてしまうのも問題があるように思われるし、ポップアートに関する記述など今となっては古い印象がする部分があるのも確かだ。
しかし、消費の社会的論理を社会的意味をもつもの(シニフィアン)の生産および操作の論理とする基本的な見方は今でも代わらぬ価値を持つ。

消費社会とは言うまでもなく、単に無駄遣いをする社会などというものを意味しているのではない。それは、親族や階級制度などに代わって、商品(ボードリヤールは「モノ」と表現するが)が社会内での個人の位置を定める座標軸となる社会であり、消費こそが社会参加である社会である。

私たちが何か新しい商品を作り売り出そうとするとき、それを消費者に買ってもらうために他の商品との「差別化」をはからなければならない。他者の製品(自社の旧製品も含まれるが)とどのような点で異なるのかが示されることによって初めて、消費者が他の商品ではなくそれを選択するのかを考えることが出来る。
そういった差別化=差異を必要にしているのは、競合する商品の種類が豊富にあることと、かつそれぞれの商品が自己同一性(アイデンティティ)を保っていること、そして鉛筆からミサイルに至るまでの多様な商品群が貨幣を媒介として交換可能であることである。

工業化される前の社会では商品の自己同一性はあいまいで、陶器でいえば産地、作者、大皿や小鉢といった種類、大きさ、描かれた模様の題材などの特徴によって記述するしかなく、例えば盗難届の出ている茶器と同一の品かどうかは写真などと照合しなければ不可能だ。しかし、工業製品である時計などなら型番が分かれば同一の品だと確実に言える。
この自己同一性は、ボードリヤールが言っていることではないが、商品の差異が神話へと形作られるのには不可欠の要素であると思われる。また、発展した消費社会に生きる人間が「自分探し」へと向かうことが必然であることも示唆しているように思われる。
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by tyogonou | 2009-03-22 01:23 | 消費社会 | Trackback | Comments(2)
麻生首相、「株屋は信用されていない」=証券業界は困惑
麻生首相、「株屋は信用されていない」=証券業界は困惑(時事通信) - Yahoo!ニュース

1.提言に対する応答として話がかみ合っていない。「株屋が信用されていない」という壁を取り除かなければならない、とか、自分は株屋を信用できないからその提言は受け入れられない、とかいうなら、少なくとも対話として成立している。しかしこれでは何が言いたいのか分からず、反発さえしようがない、ただ困惑するよりほかない。

2.それならなぜ株屋を呼んだのか? 松井道夫・松井証券社長は勝手に押しかけてきてそういった考えを訴えたわけではあるまい。麻生氏のほうから話を聞かせて欲しいと頼んで来てもらっていながら、こんな失礼なことをいうこと自体人間としていかがなものかと思う。

3.責任者は政府の方針についてきちんと教えなかったのか? 麻生氏も政府の一員なのだからら、こういった発言が出れば問題になりかねない。麻生氏がこういう子だということは分かっていることだから、方針を決めた人間はちゃんと言い聞かせておくべきだ。あれ、政府の責任者って誰だっけ?

現状分析は今もっとも必要とされることで、有識者会合を開くのは正しいことだと思う。正統性も怪しく、いつまで続くか分からない麻生政権で開いてもしかたないような気もするが、本人達はずっと続ける(続けられる)つもりなのだろうから、それは言ってもしかたない。しかし、相手の話をちゃんと聞いて真面目に検討する気がないなら時間の無駄だった。
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by tyogonou | 2009-03-22 00:23 | 国内政治 | Trackback | Comments(0)
野村“舌好調”「運気は最低、イチロー使っちゃダメ」
野村“舌好調”「運気は最低、イチロー使っちゃダメ」(夕刊フジ) - Yahoo!ニュース
 野村監督は「球を捕まえるまでがドッシリしていない。マスコミに狂わされている。他の選手は(テレビに)映らないだろ」と注目を一身に浴び、さすがのイチローもプレッシャーに押し潰されているとみている。
イチローの調子については、もともとスロースターターだし、今年はダメかなどと言われていたのがシーズンが終わってみたら立派な成績をあげて評論家に「この人は分からない」などと言わしめたりしたこともあるくらいだから、判断を下すのはまだ早すぎる。(もっとも、監督人事にまでケチをつけたイチローがWBCにあわせて仕上げてこなかったということはどうかと思うが。)
ただ、イチローに注目が集まっているおかげで、他の選手に余計なプレッシャーがかかり難くなっているということはあるかもしれない。
イチローを外した方がという声は他にもあるようだが、いよいよ負けられない試合になるときに大きな変更をして凶と出ては最後だし、それで他の選手に変なプレッシャーがかかるよりは今のまま我慢の試合を続けた方がいいかもしれない。
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by tyogonou | 2009-03-21 22:44 | スポーツ | Trackback | Comments(0)
グーグル裁判
<グーグル誤審>陪審員、携帯でネット見て評決…米で相次ぐ | エキサイトニュース
 米国憲法は陪審員に対し、法廷で明らかになった事実だけをもとに評決を下すよう求めている。
 日本の最高裁のホームページによると、5月に始まる裁判員制度では、裁判が1日で終わらない場合、裁判員には帰宅が許される。テレビや新聞、インターネットなど外部情報に接することは制限されていない。ただ、裁判員としての判断はあくまで法廷で示された証拠のみに基づく。裁判員から証拠以外の情報による意見があった場合、裁判長らがそれを指摘し、証拠に基づいて判断するよう求めることになる。
「裁判員としての判断はあくまで法廷で示された証拠のみに基づく」などといってみても、外部情報を遮断しなければそれが不可能になるから、アメリカではこのように問題とされるのだ。
外部情報を遮断するのは、法廷には持ち込めないような信頼度の低い証拠や証言が新聞などで発表され、それが反論されることもなく、信頼度を試されることもなく、事実上の証拠として表決の根拠となってしまうことをさけるためだけではない。重要なのは先入観が生まれてしまい、法廷に採用された証拠などの見方に影響してしまうことだ。
小沢一郎民主党代表の第一公設秘書の政治資金規正法違反事件が裁判員制度の下で裁かれるとしたら、秘書本人が政治団体を西松建設のダミーと知っていたか否かという問題で判断されるべき裁判が、今報道されている小沢氏の「疑惑」にどれほど大きな影響をうけるかは想像に難くない。問われている犯罪とは関係のないところで生まれた「ゼネコンと癒着した悪徳政治家の秘書」というイメージだけで、証拠がろくに検討されることもなく有罪にされるようなことになっては、裁判そのものの存在意義が危うくなる。

もっとも、日本では弁護士の資格を持つ人間までもが、被告について報道された情報に基づいて、被告弁護人の主張を攻撃し懲戒請求を呼びかけたりするぐらいだから、現状からさして変化はないといえるのかもしれないが。
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by tyogonou | 2009-03-21 00:40 | 社会 | Trackback | Comments(0)
英語を英語で教える
四月からは放送されなくなってしまうが、水曜夜23時放送のNHK教育の語学番組に「テレビで留学! コロンビア大学中級英語講座」という番組がある。
いつも見ていたわけではないが、この番組の講師の話す英語には感心させられる。「第2言語としての英語」を英語で教えるということは非常に特殊な技術なのだ。日本でも英語を英語で教えるようにしようという議論があったが、暴論だと思う。英語が話せれば英語で説明できるはずなどというような簡単な問題ではない。学生達の理解度を把握しつつ平易な英語でより難解な英語を説明していくためには、そのための訓練を受けていなければならない。ましてABCさえおぼつかないようなレベルの生徒に教えるというのは、とてつもない難題だ。
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by tyogonou | 2009-03-19 23:36 | 社会 | Trackback | Comments(0)
「秘書とケンカするな」 久間氏が若手に指南
「秘書とケンカするな」 久間氏が若手に指南 - MSN産経ニュース
 ベテランの“指導”は次第にきめ細かくなり、「クビになった秘書にうっぷん晴らしをされ、国会議員をクビになった人もいる」「献金をいただいた企業の経理担当者がクビになって、捜査当局にうたう(自供する)こともある」などと生々しい具体例をあげ、注意を呼びかけていた。
暴力団対策法にどう対抗するかという暴力団内部のレクチャーかと思ったら政治家の話だった。
重要なのはどうやったらばれないかということだ。若手には大いに役立つ情報だったろうが、公の場で言っちゃって大丈夫なのだろうか。正直もまたひとつの美徳だが・・・。
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by tyogonou | 2009-03-19 22:38 | 国内政治 | Trackback | Comments(0)
日本企業は自殺が普通? AIGめぐる米議員発言が波紋
日本企業は自殺が普通? AIGめぐる米議員発言が波紋(CNN.co.jp) - Yahoo!ニュース
アメリカの経営者も、母親に同席してもらってなんと言えばいいのか囁いてもらえばいいのに。
議員さんは大きな勘違いをしているようだが、日本で自殺するのは下っ端だ。
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by tyogonou | 2009-03-18 23:50 | 国際 | Trackback | Comments(0)
「企業献金禁止」小沢氏案に自民動揺…“現状維持派”多数で
「企業献金禁止」小沢氏案に自民動揺…“現状維持派”多数で(読売新聞) - Yahoo!ニュース
自民党の山崎拓・前副総裁は同日、日本記者クラブでの記者会見で「政官業癒着の象徴みたいな方が言ったって始まらない」と皮肉った。
小沢氏案のミソは、それが小沢氏の次の代表の可能性もいわれている岡田党政治改革本部長に預けられるというところだ。良く言えば清潔だが悪く言えば堅物で、どうも地味で選挙に弱い岡田氏にとってこれは大きな武器になりうる。
また、大山鳴動した挙句、検察が最終的に小沢氏の秘書が所謂「形式犯」どまり、つまり政治団体が西松建設のダミーであったことを「知っていた」ということだけしか証明できず、一方で自民党の議員については全く取り上げられないということになれば、かえって自民党への風当たりが激しくなるのではないだろうか。
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by tyogonou | 2009-03-18 23:46 | 国内政治 | Trackback | Comments(0)